「とりあえず洗ってからトリートメントしよう」そんな気持ちでシャンプーしていませんか?
でも実は、プレシャンプーは施術の仕上がりを左右するとても大切な工程なんです。
汚れを落とすだけじゃない、髪と頭皮のコンディションを整えるための重要な準備工程。
今回は、プレシャンプーの役割や選び方、サロンワークへの影響まで、成長したいスタイリストのために深掘りしてお届けします。
プレシャンプーって何のためにするの?

一般的に「汚れを落とす工程」と思われがちなプレシャンプー。
でも本質はそれだけじゃありません。
プレシャンプーの3つの目的
- 髪と頭皮を素の状態に戻す(皮脂・スタイリング剤・残留シリコンなどの除去)
- 後のトリートメント成分の入り道を作る
- 髪と頭皮のpHや水分バランスを整える準備
つまり、プレシャンプーは補修の土台作りです!
適当に洗うと逆効果!? よくあるNGパターン

「なんとなくシャンプー」では、むしろ髪や頭皮のバリアを壊してしまうことも。
よくあるNG
- 洗浄力が強すぎて髪が乾燥
- ゴシゴシこすってキューティクルを摩耗
- シリコンやスタイリング剤が残ったまま → 補修成分が浸透しない!
洗うだけではなく、次の工程につなぐという意識が大切。
プレシャンプーにおすすめの処方とは?
プレシャンプーに最適なのは、疎水性をサポートする設計のものがおすすめです。
理想のプレシャンプー設計
- アミノ酸系界面活性剤:やさしく汚れを落とす
- pH:弱酸性〜中性:髪の等電点に近い
- 残留物を残さず、CMCやPPTの浸透を助ける処方
これにより、次の通り道作り(ナノ化CMC)やPPT導入の効果が倍増します!
プレシャンプーのポイント
お湯の使い方(予洗い)
お湯だけで70〜80%の汚れは落ちる!しっかり2〜3分すすぐ。
シャンプー塗布
髪ではなく頭皮にしっかりなじませてから泡立てる
泡の移動で洗う
- 手のひらでモミ洗い or 指先で優しくマッサージ
- 髪の中間〜毛先は泡を滑らせるだけでOK
ゴシゴシ洗いは、キューティクルが傷つくので注意が必要です!
施術効果が変わる!プレシャンプーあり/なしの違い
項目 | プレシャンプーなし | プレシャンプーあり |
---|---|---|
補修成分の浸透 | シリコンや汚れで阻害される | 成分が髪内部まで届く |
手触り | 一時的に良くてもすぐ崩れる | 内部補修+外部コートで持ち続く |
お客様の満足感 | 「持たない…」とガッカリ | 「1週間後も調子いい!」と感動に変わる |
お客様への説明ひとこと提案
「今日は髪と頭皮の余分なものをリセットしてから、必要な栄養を入れていきますね。土台から整えることで、仕上がりと持ちがまったく違いますよ」
このように伝えることで、施術の“見えない価値”をお客様にも実感してもらいやすくなります。
まとめ:プレシャンプーは、施術のスタート地点を整える技術
プレシャンプーは、単なる「洗浄」ではありません。
それはまるで、メイク前のスキンケアのようなもので、ひと手間かけるかかけなかでトリートメントの効果や持続力を大きく左右します。
髪と頭皮の状態を整え、トリートメント成分がしっかり届くように土台を整える行為がプレシャンプーです。
プレシャンプーを丁寧にこなすことは「仕上がりの質」と「技術の信頼感」を高める第一歩になります。
プレシャンプをまとめると、
- お客様に“なぜこの工程が大切か”を説明できるようになると、提案力もアップ!
- 補修前の“下地処理”として、最も重要な準備工程
- 髪を“素の状態”に戻すことで、補修成分の浸透がスムーズに
- 疎水シャンプーなど、処方のpHや界面活性剤に注目することが大切
- 泡の立て方、力の入れ具合など、シャンプー技術にプロのこだわりを
この最初のシャンプーが、実はお客様の「リピートしたくなる仕上がり」の入口です。
洗うのではなく、整えるという視点で、技術に磨きをかけていきましょう。