普段の業務の中でこんなことありませんか?
お客さんに「最近、毛先パサパサで…」って言われたとき、「うーん、乾燥してるんですかね?」くらいしか返せなかった…とか。
新人アシスタントの頃によくありがちなことです。
ケア商品をすすめたくても、どこがどう傷んでるのか説明できなくて、なんかモヤモヤ…。
でも、「なんで髪って傷むのか」っていう“理由”をちゃんと知ってると、自分もお客さんもすごく安心します。
今回は、その「髪のダメージの正体」について、わかりやすく解説します。
日常に潜むダメージは、意外と多い

まず、毎日のちょっとしたことで髪って意外とダメージを受けています。
たとえばブラッシング。
乾いた髪をガシガシとかすと、表面の“キューティクル”がこすれて剥がれてしまいます。
またシャンプーも、髪が濡れるとキューティクルが開くので、その状態でゴシゴシ洗ったり拭いたりすると傷む原因となります。
じゃあどうすればいいかって?
優しく泡立てて洗って、タオルでポンポンと押さえるように水気をとる。
これだけでも全然違います。
熱って便利だけど、めっちゃ怖い

ドライヤーやアイロンの熱もすごく大切なこと。
髪の8~9割って実は“タンパク質”でできてて、130度を超えると“熱変性”っていって固まってしまいます。
目玉焼きが生卵に戻らないのと同じで、固まった髪は元に戻りません。
ドライヤーも、髪に近すぎると100度くらいになるから注意が必要!
20cmくらい離すだけで表面温度が80度以下になるって言われています。
アイロンも同じで、160度以下で1か所に長く当てないようにするのがベスト。
また、絶対にやっていけないのが、濡れた髪にアイロン。
水蒸気爆発と言って、髪の中の水分が弾けて中身がスカスカになってしまいます。
紫外線、乾燥、海水…髪って意外と外敵にさらされてる

意外と見逃しがちなのが、髪は外の環境からもすごくダメージを受けています。
紫外線は肌だけでなく、髪にも当たってキューティクルの下に空洞ができたりして傷みます。
特にブリーチ毛はすごく影響を受けます。
あとは乾燥も大敵です。
冬だけじゃなくて、エアコンの部屋も髪が乾燥しやすいです。
海水とかプールも要注意。
塩分や塩素が髪の中の水分を吸い取って、パサパサにしてしまいます。
なので「遊んだあとは真水でしっかり洗う」が鉄則です!
体の中のことも髪に出るって、知ってますか?

髪と身体はすごく関係しています。
なので、体調とか食事ストレスなどが髪にすごく影響してきます。
また、過度なダイエットや、睡眠不足、ストレスなども関係してきます。
それが原因で抜け毛増えたり、髪が細くなったりすることも…。
つまり、「髪の悩み=体のSOS」ってこともあります。
そう考えると、お客さんの話をしっかり聞くことって、すごく大切なことです。
コームでダメージを見極めよう

目の粗いコームを使用して、濡れた髪をとかして「引っかかるかどうか」でダメージレベルをチェックすることも可能です。
- 引っかかる → ダメージレベル3.5以上。中の構造が崩れてるから、ケラチンとかCMCで内側からのケアが必要。
- 引っかからない → レベル2以下。パサつきや乾燥が主だから、CMCやキューティクルケアを。
このように「見える化」できると、ケアの提案をしやすくなり、お客さまも納得しやすくなります。
まとめ:知識は優しさ。髪の痛みをわかってあげることが、信頼につながる

お客さまは、髪の悩みを「なんとなく」感じてる人が多いです。
でもその「なんとなく」を、理美容師のみなさまが「こういう原因かもね」って言ってあげるだけで、安心感につながります。
知識は、使い方によって「信頼」につながります。
カットやパーマなどの技術を見せるだけでなく、お客さまの「困りごと」に寄り添い、解決に導くための知識を覚えていきましょう。
最初から全て覚えなくても大丈夫!今日ひとつでも「へー」って思ったことを、お客さまに話してみてください。
「なんとなく」で終わらせない、そんなスタイリストを一緒に目指しましょう!