パーマ2剤と髪のpHのお話

リトル・サイエンティストのセミナーで、パーマの中間水洗とともに髪のpH調節が重要だと話してきました。
ブロム酸は中間水洗してpHを酸性にしてから、過酸化水素は中間水洗しても酸性にしてはいけません。

野村学長

①ブロム酸は酸性で分解して活性酸素とブロム塩に変わる。
②過酸化水素はアルカリで分解して活性酸素と水に変わる。
でしたね。

ブロム酸を使用するときには、中間水洗してアルカリ剤と還元剤をよく洗い落してから、酸リンスで酸性にしてから2剤、過酸化水素を使用するときには、中間水洗してアルカリ剤と還元剤をよく水洗してから、酸リンスを使わずに2剤、となります。

中間水洗するのはアルカリ剤を洗い流すことと、還元剤を洗い流すことですが、アルカリ剤は水洗することで濃度は下がりますが、10倍に薄めるとpHが1下がることから、100倍の水でアルカリのついた髪を洗っても、pHは2しか下がりません。

pHが9のパーマ液を使用したならば、中間水洗でよく流しても弱アルカリまでしかpHは下がりません。

したがって、酸性までpHを下げようとすれば、酸度がある酸リンスを更に用いて酸性にします。

過酸化水素水は酸性の液体ですが、酸度がほとんど無いために、パーマで軟化した髪に過酸化水素2剤をたっぷり付けてもpHはアルカリのまま下りません。

逆に、中間水洗せずに過酸化水素2剤を付けると熱を発しながら強力に活性酸を発生し、S-S結合が壊れてシステイン酸まで分解されてしまいます。

野村学長

もし、過酸化水素2剤塗布時に髪が発熱してしまうならば、中間水洗でアルカリ剤をあまり除けていないことを意味しています。

中間水洗は還元剤もできるだけ除くことを目的としていますが、よくバッファー剤を中間に付けてpHを落とせば大丈夫と言う人もいます。

ただ、バッファー剤はアルカリを中和してpHを落せるのかもしれませんが、還元剤は除けません。
髪に還元剤が残ったままで、ブロム酸や過酸化水素などの2剤を使用すると、還元剤のSHと髪のSHとが強制的にS-S結合(混合ジスルフィド)を作ってしまうので、髪の強度を著しく落すことになります。

サロンでパーマがダレるという話を聞きますが、ウエーブはパーマ1剤だけでもある程度かかります。
2剤はさらに活性酸をを使い、未結合のSHとSHを結合させます。中間水洗しないでブロム酸を2剤に用いても、中間水洗と酸リンスでpHを酸性にして過酸化水素を2剤に用いても、2剤を使わないでパーマした時と同様なダレたウエーブになります。

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